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2024.11.01
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2011.10.20
三浦しをんの文楽小説『仏果を得ず』がBL過ぎたので、彼女の文楽エッセイ『あやつられ文楽鑑賞』も読んでみたんですけど、仮名手本忠臣蔵のあらすじを説明してる箇所で作中に「桃井くん」が出てきて、えっ桃井くんってあの桃井!!!?Σ(゚Д゚)と吃驚してしまいました。いや、舞台が室町時代に置き換えられてて塩冶判官と高師直の話になってるのは知ってましたが、こんなとこで桃井の名を見るとは……。
って、ネットでちゃんと調べたら、忠臣蔵の桃井若狭之助安近は、私の大好きな桃井直常の弟という設定らしいですね。へぇ~。
Wikipediaには直常の弟として直信・直弘の名前しか載ってなくて、直だらけの一族中で安近だけ名前の系統が違うので実在した人物かどうか微妙に疑わしい気がするんですが、元になった塩冶判官の伝承とか、ひょっとしたら太平記辺りにはちょい役で出てるのかもしれないなーとか思うと俄然わくわくして参ります。
そういや実在の塩冶判官を討伐したのが桃井直常らしいですよね。説話のキャスティングはその辺の繋がりでしょうか。高師直にムカついてるのは桃井一族も同じなのに何の因果か敵味方、という。
桃井直常にしろ直義の養子の足利直冬にしろ、何回目かの反乱後の時点で消息不明になってて以後の行方は知れない(お墓とかの伝承によれば結構長生きしてる)みたいな説明を読む度に、昔はおおらかな時代だったんだなぁという感慨を覚えます。

しかしWikiの桃井直常と足利直義の項目初めて見ましたけど、ダメダメあんなんじゃ直義の魅力を1/3も伝えられてないです!!ヽ(`Д´)ノ
Wiki見て勉強した気になるなよこのニワカどもめが、という言説をヘタとか戦国の界隈で見かける度に、えーでも全然何も調べずに創作するよりマシじゃん…という反発を覚えていたのですが、こういう感情論からWikiでは不充分だからもっともっと調べてもっと好きになって!!とか彼らが思ってたのだとすれば、すごく納得出来ます……。
みんなもっと直義のこと好きになって!!!!

Wikiの直義の出てくる小説項で、安部龍太郎「兄の横顔」(文春文庫『バサラ将軍』収録)だけ紹介されてましたけど、直義モエモエ小説といえば永井路子『風の群像』だろう……編者わかってない……。
安部龍太郎の短編は直義を好きになった後で読んだのですが、実はそもそも安部の『血の日本史』収録の大久保利通の短編を読んでマジ号泣して、それが大久保さん好きになった契機なんですよね……。安部龍太郎、罪な男。
実はリアルの大久保さんが好きなんじゃなくて、安部の創作した大久保さんが好きなのかもしれ……いやいや司馬遼の大久保さんも好きだし大久保さんなら何でも好き。どんとこい!!
そうそう!買っただけでまだ読んでないんですけど、秋山香乃の大久保さん小説こないだ入手したんですよイヤッホウ!!
秋山香乃といえば藤堂平助総受け小説を書いてた潜在BL作家(に違いない)。どんな風に大久保さんを料理してくれてるのか超楽しみでごわす。

そして潜在でも何でもない、堂々とBL漫画評論とか書いちゃってる三浦しをんは、『あやつられ文楽鑑賞』の中でも楽屋訪問の際におっさん同士が袴の着付けのお手伝いしてる光景を目撃して大興奮してたり、桂川連理柵の中の「おやま狂い」という台詞に物凄い勢いで食い付いてたり、……腐女子の業ですな……。


……ちなみに直義好きになった最初の契機ですが、湯口聖子『明日菜の恋歌』(1992年、ボニータコミックス)に載ってた直冬が主人公の漫画をたまたま読んで尊氏=悪、直義=善みたいな先入観がインプットされていたところに、河村恵利の足利兄弟漫画(「雨の糸」「火炎」「春宵」)で完全ノックアウトでした……。
そういや湯口さんと河村さんの合同誌を夏コミで買いましたが、あれも良かった(´∀`*)
でも実際の直義は河村さんの描く悪の華っぽいタイプじゃなく、もっと地味系キャラだと思いますが……そういう地味で堅実なところが好き
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