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2024.05.18
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2009.05.11
前後編両方観てから感想書きますとか、ここで言ってたので。
以下ネタバレ注意…って、このブログ何の話題でも追記部分はネタバレの嵐ですけど。ついでに辛口注意?

現在一番強く思ってるのはストーリー云々とか以前の問題で、余計なシーンが多過ぎる……ということ。
パート1での、周瑜が笛を改造したり馬の出産に立ち会ったり諸葛亮とエレキギターセッションしたり孫権が悶々と悩んだり悶々と虎狩りするシーン。各人のキャラ立ちや戦う理由を掘り下げようとする意図は理解出来るので全部が不要とは言いませんが、いくら何でも尺を取り過ぎ。
そしてパート2ですが、火計から先が長過ぎる。一時間くらい戦ってませんでしたか?いくら何でもダルいです。
パート1冒頭の長坂坡と、パート2の冒頭から開戦に至るまでの全部分は皮肉ではない意味で非常に面白かったので、八卦陣とやらのシーンをまともな水戦に作り直し、パート1のちんたら部分を再編集して半分の長さにし、火計以降を10分で終わらせるなら、前後編の内容をまとめても140分くらいに収まる、良い映画を作れたのではないかなぁと残念に思います。
物を創作するに当たっては増やすより削る方が格段に難しく、製作側があれもこれもと盛り込みたくなる気持ちも解るのですが、そういう自己満足は劇場ではなくDVDコレクターズエディションとかで表現して欲しかった。

ストーリーに関しては、ドリフのコントです。
鋼鉄三国志に比べればとっても三国志やってるのですが、いちいち笑えるんですよねぇ。特に戦闘シーン。
戦争の悲惨さを描きたいのかスペクタクルなシーンを演出したいのかという軸がブレブレで、且つ監督が今まで歴史物を手がけたことがない所為で戦闘にリアリティがない。兵士が悲惨に殺されていればリアリティがあったり訴える力があるという訳では全然ありません。
根本的に、監督の志してる戦争の悲惨さや一般兵士達の苦しみ、反戦への祈り、ついでに信義や友情の大切さなどは、そもそも三国志をモチーフに表現するのは向いてないんじゃないかと思うんですよねぇ。火計以降、唐突に舞台が3世紀じゃなく第二次世界大戦とかの20世紀の戦場にワープしてしまったんじゃないか…と感じさせる強烈な違和感が、例えるならイチローのレーザービームで人類滅亡動画と同じ種類のシュールな笑いをもたらしてくれた訳ですが、監督の描きたいテーマなら国共合作と抗日戦争なんかをモチーフにしても充分に表現出来たと思います。その場合日本では上映されないでしょうけど。
オリジナル武将しか出てこないといった三国志ファンからの一連の批判は、赤壁の戦を自己流に表現したというより、自分の伝えたいメッセージを表現する為に赤壁の舞台設定だけ借りてきた、つまり三国志への愛情を感じられないという批判に集約されると思います。ならそういう個人的な思い入れを排し、三国志とは一切関係ない戦争映画としてレッドクリフを観た場合、……やはり戦争シーンにリアリティがないのが致命的だよなぁと。思わざるを得ない(-_-;)
どこの古代中国人が、最後の一兵になるまで壮絶に戦ったりするというのか。自爆テロのような我が命を度外視した特攻。明らかに火薬を大量に使ってるとしか思えない、火と魚油だけでは実現出来ない大爆発。どういう技術を使ってるのか見当もつかない、火を纏った岩石しかも着地すると爆発。
古代中国を思わせる架空のファンタジーワールドだとするなら納得なのですが、その場合は予めキャラの衣装をファンタジー風にしたり諸葛亮に魔法を使わせたりといった伏線を用意して頂きたかったですね。
多分、古代中国を使ったモチーフで戦争の悲惨さを描くなら、墨攻のように細部まで拘った地味な戦争シーンを積み重ねるしかない。ド派手な演出や現代人の感性、悲しみを全面に押し出した描写は、悲惨さを薄れさせ陳腐にするだけの効果しか持たないんじゃないかと個人的には思います。監督には、今後は現代映画で頑張って頂きたい。

などと真面目かつ偉そうに語ってるように見えますが、映画館ではひたすら爆笑を堪えて肩を震わせておりました。お、面白かった…!!(笑)
ドリフのコントって、最後は大体爆発オチというか、セットの壁がばたーんと倒れてスモークがぶわーと吹き出し登場人物右往左往みたいになるイメージじゃないですか。ずっと脳内で盆回りがBGMで流れ続けていたので、意識を集中させようとリアルBGMの太鼓の音に耳を傾けていたのですが、後でパート2の映画パンフ見たら「太鼓の音は聞くな」と音楽の人に怒られました(笑)。
でも音楽は良かったですね。オープニング曲は最初聴いた時から大好きになりました。EDも良いです。エイベックスといえば一時期パソコンでの再生不可能という粗悪CDを故意に流通させ消費者に多大な損害を与えた会社ですが、今となっては業界全体がコピーガードやダビング10、地デジなどに代表される正気とは思えない暴虐の数々に手を染めてるので、なんというか相対的な罪深さは下がってますよね(-_-;)


◆パート1を振り返る。
・先に観た人々から「あんまり真面目に観ない方が良い」と忠告されたにも関わらず、OPで涙ぐんだアホ。青銅色に錆びたぼろぼろの古剣が、段々と金色の輝きを取り戻していく。3世紀なのに鉄剣じゃなく銅剣使ってんのかというツッコミは脇に置いておくとして、その剣は孫権の佩剣だということが後の本編で明らかになります。開戦を決意して机の角を斬った、彼らの決意の象徴のような剣。
・おお三国志がこんなにお金かけてもらって映像化…!という私の感動は長坂の戦の最中にも続いていましたが、張飛が兵士達に盾を裏返すように指示、ピカー!と盾が光って曹操軍が「うおっ!まぶし!」となるに及んで目が点に。当然涙も止まります。
・更に「げぇっ!関羽!?」夏口に行ってこの場にいない人の登場に度胆を抜かれ。ああ、真面目に観てはいけないんだな……人々の忠告が今更ながら身に染みてきます(遅)。
・孔明大論陣の後、バルコニー的なところに出た諸葛亮と魯粛…の背後の景色がとても綺麗。どんだけ高台に城あるんだってかんじですけど(^_^;)
・甘興って誰やねん…というツッコミには、後編にて明確な回答が与えられます。
・明らかに琴とは思えないギュイーン!セッション。「これほど熱くなったのは久方ぶりです」なんかイヤラシイ言い方(笑)。
・曲に誤りあれば周郎振り返るとか、孫権が虎狩り好きだとか、孫尚香の別名が弓腰姫、関羽は左伝オタクといった知識を有してるにも関わらず、何故こんなトンチキ臭溢れる話運びになるのか不明。
・子供の名前は平でも安でもねぇよ!大体初子な訳ねえだろ!馬鹿にしてんのか!!大いなる謎部分にして不満箇所。
・そしてとうとうやってきた緒戦に……大爆笑
・何故歴史を改変してまで陸上戦なんでしょうね。前編陸上戦で後編水上戦という風にメリハリ付ける為かとも思ったんですが、別にパート2でもマトモな水上戦やってないし。
・こ…こんなの八卦陣じゃないやい!ていうか遊園地のアトラクションか!何で敵の騎兵が盾構えてる歩兵を無視して陣の奥に入っていってぐるぐる走ってるんだ!アホか!!
・盾をどかしたらジャーンジャーンといったかんじに関張趙が出てくる辺り、もうホントに遊園地のアトラクション。周瑜も思わず戦場に!って、無双かよ!!(笑)一緒に観た母が周瑜の兜が似合わない似合わないと頻りに言ってきたのが印象的でした。
・そして周瑜が趙雲を庇って矢に…!これは赤壁以後の対曹仁戦を先取りしてるんでしょうけど、にしても何故趙雲なのか。周瑜が具合悪くなる→諸葛亮が風を吹かせましょう展開への伏線かとも思ったんですが、全然そんなことなかったんだぜ!
・以降妙にラブラブになる周瑜と趙雲の関係。新カップリング誕生の瞬間でした。
・ハトを羽扇で乾かす諸葛亮に、風邪引かないのか?とか訊く周瑜……製作側がギャグだと思って作ってるシーンと、こっちが勝手に笑ってるシーンとが入り混じり、どこまで狙われてるのが段々判らなくなってきます。
・川幅狭っ!!曹操軍80万を鵜呑みにした挙句に船の数まで水増ししまくった所為で、船が長江に収まりきってません。今の赤壁(偽だけど)の川幅が1キロ程度らしいので、それを踏まえて隙間にCGで船を詰め込んだからあんなことになったのではないかと思われます。3世紀は川幅4キロくらいあったかもしれない説があるので、それを採用すれば良かったのに……。

◆パート2を振り返る。
・1のおかげでギャグ映画という評価は定まっていたので、的はずれな期待はせずに映画館に向かえたと思えます。先に観た某氏から諸葛亮は正史寄りと聞いていたこともあって、往路の電車では一緒に行った馨兄さんと二人で旋風江の諸葛亮もヘタレだよねーと語り合っていたんですが、実際はレッドクリフの諸葛亮も充分胡散臭い系。
・気球を発明したのは諸葛亮伝説。予告でも提灯を空に飛ばすシーンが出てきていたので、ひょっとしたらアレを敵陣にまで飛ばすことで火計を行うのではないかとずっと疑い続けていました。ぱさ…と着地した途端に火が船に燃え移る的な。実際はそこまでトンチキじゃなくて安心しましたが(-_-;)
・十万本の矢を借りたり、蒋幹を騙くらかしたりするシーンはやっぱり三国志!ってかんじでとても嬉しくなりますね。借箭のエピソード自体はそんなに好きじゃない筈なんですけどねぇ(^_^;)レッドクリフらしい、二人で相互補完して計を達成する信頼エピソードにアレンジしてあったのも良かったです。
・演義の展開通り、周瑜と同衾する蒋幹。……確かに昔の中国人は友人同士で度々同じベッドに入りますが、あれって互い違いというか、相手の足先に自分の頭が来るように寝るんですよ……。映画みたいに同じ方を向いて枕を並べてると、なんか変な想像しちゃいます。
・かかし殿×魯粛。かかし殿鬼畜攻めの魯粛健気受け(笑)。
・孫尚香の淡いロマンスの相手が、人が良いとかのレベルを越えたアホの子なので、正直アレには惚れんやろ…と思えて仕方ない(-_-;)同じ孫姓なので、恋情ではなく家族愛に似た友情のつもりで描写してるんですかね?同姓不婚の国としては。
・帰ってきた孫尚香の帯回し(笑)に、男達が見ないように背を向けるシーンが面白い。ここは製作側もお笑いシーンのつもりですよね。
団子シーンは超笑いました!アレ可笑し過ぎる。
・奥さんに出ていかれた周瑜に俺達もアンタの家族だぜ!と言外に励ますシーン…なんでしょうが、もう可笑しくて可笑しくて。なんでイイ年した男達が皆無言で真剣な顔をして次々団子を差し出していくんだ!シュール過ぎる。
・手紙を放り出し、家族への思いを捨てて戦場に赴く兵士達……までは普通の感動的なシーンだったのに。
・開戦!……爆笑。
・色々とアリエヌェー要素は既に上で言ったので繰り返しませんが。
・甘興が甘寧ではいけなかった理由とは、彼が戦中に死ぬ役目を背負っていたからでした。甘寧死んだら歴史が変わっちゃう☆
・しかし鉄の盾を掲げてても熱対策にならんでしょうに(笑)。熱された鉄板状態になって、中で火傷した挙句、蒸し焼きになって死にます。大体自分達まで焼け死にそうなところに突撃しないでしょ(笑)。敵を殲滅するのが目的じゃなく、要は敗走させればいいんだから。曹操を討ち取りたくて強引な手に出るなら多少の危険は仕方ないのかもしれませんが。
・……その曹操を何故か見逃しちゃうオチ。ええええ何の為に今まで!?まぁここで曹操殺すと歴史変わっちゃいますが(^_^;)唯一の実在曹操軍武将の曹洪も、さり気なく生き残る。
・髻を射られた曹操が可憐に「きゃああー!」とか絶叫するのに爆笑。
・最後は諸葛亮と周瑜が今後の敵対も匂わせつつ、爽やかに友情を確認して完。それにしても顔近い近い。
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