2013.03.11
以前本屋の少女小説コーナーでふと目に留まった一冊を手に取り、数ページパラパラ捲って「ま、買うほどの魅力は感じないな」と、そのまま元の場所に戻して立ち去ったことがありました。
しかし後日(おこぼれ姫シリーズの既刊全部読んじゃって)トキメキ摂取不足に陥った私。タイトルもレーベルすら覚えてないその本を、少女小説文庫で中華ファンタジーで姉だと思ってたのが男だった話…という記憶だけを頼りにAmazonさんで検索し、発見するに至りました。
講談社ホワイトハートの『大柳国華伝』、既刊2冊みたいなので(私が本屋で見かけたのは続編だったぽい)取り敢えず第一作を購入。作者はこれがデビュー作みたいですね。
しかし後日(おこぼれ姫シリーズの既刊全部読んじゃって)トキメキ摂取不足に陥った私。タイトルもレーベルすら覚えてないその本を、少女小説文庫で中華ファンタジーで姉だと思ってたのが男だった話…という記憶だけを頼りにAmazonさんで検索し、発見するに至りました。
講談社ホワイトハートの『大柳国華伝』、既刊2冊みたいなので(私が本屋で見かけたのは続編だったぽい)取り敢えず第一作を購入。作者はこれがデビュー作みたいですね。
最近は少女小説レーベルも多いし、中華風ファンタジー的なブツもそこそこ見かけるようになりましたが、私は主人公の名前が訓読みだったり日本人的な発音だったりするだけで「キエエエエ!!」と発狂して投げ捨てたくなるほどの気難しい偏屈読者なので、大半は本屋で手に取ってもそのままバイバイすることが多いのです……。
ホワイトハートの中華風は、その中では比較的ハズレが少ない気がしますが……、今回の本も一冊通して読んでみた結論は、まあ合格でした。これだったら続刊も読んでみたいです。
恋愛要素とそれ以外(権力闘争とか)の割合が体感では五分五分くらいで、個人的にはかなり心地よいバランス。一冊中に男女恋愛と女の園での友情と剣術アクションと軍隊同士の合戦が盛り込まれてりゃ、そりゃ文句のつけようがありません。
この密度は、一冊のみの真価が問われる投稿作ならではだなーと思いつつ、でも続編のネタ残ってんの?という心配が……(^_^;)
特に冒頭は文章がややぎこちない感じがしましたがそもそも新人の投稿作だし、読み進めていくうちに段々気にならなくなりました。
構成力は、中華風ファンタジーからの連想ですが長谷川朋呼のデビュー作よりも上手い?
何年か前に読んだホワイトハート新人の中華風ファンタジーは、ストーリーはともかく市井の風俗とか生活描写が壊滅的に駄目で(新人ということを差し引いても)私げんなりしたものでしたが、これは舞台が八割がた後宮内に固定されてて、しかもストーリーにほとんどの筆が割かれて日常描写は最低限だった所為で粗が見え難いという結果オーライ(計算してのことなら凄い)。
ヒロインが一々後先を考えないアホな行動を取るのも最初はうーん(^_^;)と思いましたが、剣の腕が立つ&超絶オクテな設定と相まって、ああ脳筋なんだなこの娘…という妙な納得というかキャラ立ち成功というか、これはこれで段々可愛くなってきます。
ヒロインの行動力と正義感がストーリー進むにつれて責任感という形に結実して、そういうヒロインの心構えがお相手役に対しても上に立つ者としての自覚を促して良い影響を与える、そこら辺の展開はカタルシスもあっていいかんじ。
戦う後宮とか女装する皇子様とかの要素は酒見の後宮小説の影響があるのかな?ガワは似てても中身が全く違うから気にはなりませんでしたが。
ていうか彩雲国は五王戦国志の影響絶対に受けてるし三国志や水滸伝に至ってはフリー素材だし、まあそういう元ネタ云々は一々目くじら立てる方が野暮ってものです。
……彩雲国物語といえば、あの作者は魅力あるキャラを量産する能力が素晴らしかったなぁ(´∀`)
まあテンプレ造型といえばそうなんですが、なんともいえない華やかさが少女小説としての武器になっていて、迷走するストーリーやら雰囲気台無しな若者言葉的文体やらの七難を見事に隠しきってましたが、しかし恋愛から政治闘争に話の中心が物凄い勢いでシフトしていったにも関わらず作者の中二病センスとナチュラルBL脳は一向に快癒しなかった結果、あの作者にしか書けない異形の少女小説としか呼べないブツになりましたが……ううん、『骸骨を乞う』くらい突き抜けられると好き!としか言えなくなりますが、しかし全ての中華モノ少女小説にあそこまでの個性を求めている訳じゃないんだ……(・∀・;)
どうせ暇潰しに読むんだから、少女小説界は森崎朝香の花嫁シリーズくらい軽い口当たりの作品を量産するような環境で全然構わないのよ?……と言いつつ巷の中華風ファンタジーの半分以上が口に合わない偏屈読者ですいません(-_-;)
風水天戯は彩雲国みたいな変なアクセルは踏まず正統派のジュブナイル的ストーリーを進んで、でも宮廷陰謀劇の要素も適度に入ってて個人的には最高に好みだったんですが、そこまで長期化せずシリーズ終わってしまったのは何が駄目だったんだ……少女小説なのに男主人公で、恋愛要素どころかBL要素すら皆無だったところがやっぱりいけなかったんだろうか……。
六蓮国は最初の一冊だけ買って、でもどうも好みに合わなくてそれっきりなんですが、まあでもビーンズ文庫の中華系もそんなに悪いイメージは持ってないんですよね(^_^;)レーベル自体の出版点数や全体的な作品レベルの高さにも関わらず、21世紀のコバルト中華系は新刊案内眺めてても今一つピンとくるものがなくて辛い……。
ホワイトハートの中華風は、その中では比較的ハズレが少ない気がしますが……、今回の本も一冊通して読んでみた結論は、まあ合格でした。これだったら続刊も読んでみたいです。
恋愛要素とそれ以外(権力闘争とか)の割合が体感では五分五分くらいで、個人的にはかなり心地よいバランス。一冊中に男女恋愛と女の園での友情と剣術アクションと軍隊同士の合戦が盛り込まれてりゃ、そりゃ文句のつけようがありません。
この密度は、一冊のみの真価が問われる投稿作ならではだなーと思いつつ、でも続編のネタ残ってんの?という心配が……(^_^;)
特に冒頭は文章がややぎこちない感じがしましたがそもそも新人の投稿作だし、読み進めていくうちに段々気にならなくなりました。
構成力は、中華風ファンタジーからの連想ですが長谷川朋呼のデビュー作よりも上手い?
何年か前に読んだホワイトハート新人の中華風ファンタジーは、ストーリーはともかく市井の風俗とか生活描写が壊滅的に駄目で(新人ということを差し引いても)私げんなりしたものでしたが、これは舞台が八割がた後宮内に固定されてて、しかもストーリーにほとんどの筆が割かれて日常描写は最低限だった所為で粗が見え難いという結果オーライ(計算してのことなら凄い)。
ヒロインが一々後先を考えないアホな行動を取るのも最初はうーん(^_^;)と思いましたが、剣の腕が立つ&超絶オクテな設定と相まって、ああ脳筋なんだなこの娘…という妙な納得というかキャラ立ち成功というか、これはこれで段々可愛くなってきます。
ヒロインの行動力と正義感がストーリー進むにつれて責任感という形に結実して、そういうヒロインの心構えがお相手役に対しても上に立つ者としての自覚を促して良い影響を与える、そこら辺の展開はカタルシスもあっていいかんじ。
戦う後宮とか女装する皇子様とかの要素は酒見の後宮小説の影響があるのかな?ガワは似てても中身が全く違うから気にはなりませんでしたが。
ていうか彩雲国は五王戦国志の影響絶対に受けてるし三国志や水滸伝に至ってはフリー素材だし、まあそういう元ネタ云々は一々目くじら立てる方が野暮ってものです。
……彩雲国物語といえば、あの作者は魅力あるキャラを量産する能力が素晴らしかったなぁ(´∀`)
まあテンプレ造型といえばそうなんですが、なんともいえない華やかさが少女小説としての武器になっていて、迷走するストーリーやら雰囲気台無しな若者言葉的文体やらの七難を見事に隠しきってましたが、しかし恋愛から政治闘争に話の中心が物凄い勢いでシフトしていったにも関わらず作者の中二病センスとナチュラルBL脳は一向に快癒しなかった結果、あの作者にしか書けない異形の少女小説としか呼べないブツになりましたが……ううん、『骸骨を乞う』くらい突き抜けられると好き!としか言えなくなりますが、しかし全ての中華モノ少女小説にあそこまでの個性を求めている訳じゃないんだ……(・∀・;)
どうせ暇潰しに読むんだから、少女小説界は森崎朝香の花嫁シリーズくらい軽い口当たりの作品を量産するような環境で全然構わないのよ?……と言いつつ巷の中華風ファンタジーの半分以上が口に合わない偏屈読者ですいません(-_-;)
風水天戯は彩雲国みたいな変なアクセルは踏まず正統派のジュブナイル的ストーリーを進んで、でも宮廷陰謀劇の要素も適度に入ってて個人的には最高に好みだったんですが、そこまで長期化せずシリーズ終わってしまったのは何が駄目だったんだ……少女小説なのに男主人公で、恋愛要素どころかBL要素すら皆無だったところがやっぱりいけなかったんだろうか……。
六蓮国は最初の一冊だけ買って、でもどうも好みに合わなくてそれっきりなんですが、まあでもビーンズ文庫の中華系もそんなに悪いイメージは持ってないんですよね(^_^;)レーベル自体の出版点数や全体的な作品レベルの高さにも関わらず、21世紀のコバルト中華系は新刊案内眺めてても今一つピンとくるものがなくて辛い……。
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