今まで読んだ何冊かの本に書かれてたことと矛盾はないし、結構内容も詳しくて面白かったです。19世紀から20世紀初頭にかけての初期マフィアについては殆ど記述せず、第二次大戦後のアメリカ政府やイタリア与党と癒着し、麻薬販売組織として急速な発展を遂げた近代マフィアについてに紙幅を費やしてるので、余計に悪の組織に見えるんだろうなぁ。
2007年出版の新しい本で、2006年4月の大ボス・プロヴェンツァーノ逮捕のことまで記されているのもポイント高。とはいえその後継のサルバトーレ・ロ・ピッコロも2007年11月に逮捕されたし、2008年2月にはアメリカ系のマフィアが大量検挙されてるし、近年の対マフィア動静はかなり移り変わりが激しいです。去年の年末もナポリゴミ問題ですっごい揉めてましたけど、件の『イタリア・マフィア』でマフィアと癒着してる可能性が高いと示唆されてたベルルスコーニ氏が2008年5月に首相の座に返り咲いているので、近年の逮捕ラッシュにも一段落付いたりして(-_-;)
2000年発行の『マフィアとの死闘』では、黒い噂の絶えないアンドレオッティ首相も退任したし、過激派ボス・トト・リーナが逮捕されて、穏健派・プロヴェンツァーノが実権を握るようになって良かった良かったという論調でした。が、穏健派だろうが何だろうがマフィア勢力自体が縮小するのは良いことに違いないので、イタリアも少しずつ良くなってるんじゃないかと……うん、信じたいです。
あー、でも6月にナポリゴミ問題に絡んで射殺されてる人いましたよね。
『世界のマフィア』(2006年発行、梓の主な情報ソース)にはナポリのカモッラは末期を迎えつつあるとか書いてたのに……(´・ω・`)
リボ好きになってから、現実のコーザ・ノストラについても多少は気になって情報集めるようになったんですが、知れば知る程にフィクションと現実の間にあるギャップに打ちのめされそうです(-_-;)ツナさんにはこんな組織の主になって欲しくない!けど、嫌々ドン・ボンゴレやってる綱吉さんに萌えて萌えて仕方ないというジレンマ。
現実のシチリアでリッジョやらリーナが大ボスやりつつマフィアを麻薬密売組織として大きくしたり検察関係者を殺しまくってた時代と、リボ世界で麻薬を扱わないボンゴレファミリーのドンに穏健派9代目が就任してた時代がほぼ重なってるので、本気でリボ世界のマフィアを想像する際に現実のマフィアのことは念頭に置かない方が良いのでしょう。