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2024.11.02
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2008.11.03
トリビア編の内容は三国志マガジンが冊子体だった頃に読んでましたが、あらすじ編の方は初見だったので、購入した甲斐は充分にありました。しかしコマがごちゃごちゃでちと読みにくいですな。
で、絶対レッドクリフ便乗商法だろと思ってたら、巻頭で「今年はレッドクリフ公開されるし☆」……なんと正直な(^_^;)

以下、感想とか気になったこととかを、箇条書きっぽくいってみます。

・一番面白かった箇所が「馬謖ショック」「ううわ無断で使いやがった」。でも同じ出版社だから訴えられませんね(・∀・) !
・荀攸と荀iku.gifが同じキャラデザ。
・田豊は本当に袁譚派か?原作の大澤氏は非戦派の田豊と沮授を袁譚派と考えてるみたいですが、敵対してる郭図がバリバリの袁譚派なのでこの区分は怪しいなぁ。持久戦とか農作業の充実とかを主張するのは、地元豪族が自分の地産を守る為の言い分だし(田豊も沮授も冀州出身)。
・孫権が赤壁前に家臣団の降伏論に悩まされたのと同じで、地元名士は支配者が袁家だろうが曹操だろうが、自分達の身分と財産さえ保証されるなら基本的にはどうでも良いのです。ただ支配者が変わると、既得権益が奪われる可能性も高くなるので忠義を尽くすだけで(特に今の政権で高い位に就いてると)。
・個人的には冀州出身者が袁尚支援(元々袁紹が袁尚だけを冀州に住まわせてるから)、地元豪族より立場の弱い他州出身者(主に韓馥から寝返った系の穎川人?)が一発逆転を求めて袁譚支持するって形じゃないかと思うのですが。
・縁談が出てたのは孫権の娘と関羽じゃなく、関羽の娘と孫権の息子(孫登?)デスヨー。しかし孫登さえいれば呉はもうちょっと政治的に安定したのに…。ご学友の出身(地方・身分の)バランスが良過ぎですよね。才能もある四友を側近として上手く扱えたなら、孫権以上に家臣と上手く付き合っていける君主になれてたと思います。なんか実際は食い合いになっちゃってるけど、孫登が上で目を光らせていたらああはならなかった気がする…。
・孫登の教育に熱を入れ過ぎて、しかも本人の出来も良かったから、次男以下はマトモに帝王学習ってなかったんじゃあ…(^_^;)一番悪いのはちゃんと嫁の序列を決めてなかった上に年取ってからは頭おかしくなってる孫権ですけど!歩夫人が男の子生んでたら孫権は迷う余地もなく後継者にしたと思うのですが、しかし孫登が生きてたとしても、歩夫人の子供を無理矢理後継にしようと廃嫡しかねない危険が…。
・大澤氏は相変わらず姜維大嫌いっぽかったんですが、作画の荒木さんが上手く中和してるかんじ。ていうかコマとページ数が足りないだけか。
・戎服を最初に着たのは趙の武霊王(戦国時代)と紹介してますが、殷代には騎馬民族風のブーツが存在してたことが、リアルな形状のブーツ型青銅器の存在によって確認出来ます。裏に滑り止めとか付いてるんだぜ!多馬とかの軍事組織もあるし、かなり古くから中国に騎兵はいたと思うのですが。
・本人達も作中で言及してますが、鞍と鐙の普及が4世紀より前だという説もあります。物証も出てなかったっけ?
・銅緑山から銅を採掘していたことが確認出来る最も古い年代は、確かに西周です(出土器物から見て)。が、坑木の科学測定によれば今から3265±100年前くらい、あと殷墟婦好墓出土銅器の成分分析したら、約半数は銅緑山で採掘されたものと一致したんですよねぇ。殷代からあそこ掘ってた可能性は否定出来ません。
・音楽と暦は詳しく理解しようとすると難し過ぎて手に負えないっスー。
・菊慈童って確か男色の話じゃあ……。
・孔明が空城で琴を弾いたのは、ただ一人の「知音」司馬懿に聞かせる為…とか妄想しちゃう大澤氏は潜在的に(?)腐男子。まあ女子校三国志でユリっぽい話を考えてた人だし。
・逆に女性である荒木さんは女の子贔屓のノーマルカップリング推しというのが、面白くも上手いバランスになってるのかなと思わせます。
saku.gif融の漢字間違っとるでー。冊子体三国志マガジン掲載時はもっと誤字が多かった印象があるので、一部は修正してるんでしょうか。めんどいから一々確かめないけど。
・あらすじ編の荒木さん誤字(自身とすべきとこが自信になってるとか)は手書きだし、修正難しいのは理解出来ます。

……まあ、明らかに間違ってる箇所は関羽の娘だけで、あとは重箱の隅とか見解の相違とかその程度ですけど。エンタメ漫画なら普通にスルー出来る内容にも関わらず、知識伝達を目的とした漫画になると急に目に付くのは……何というか、神経質になり過ぎだとは自分でも思います(-_-;;)
ただ三国志系知識だけじゃなく、色んな文物についての歴史的知識を(おそらく独学で)調べたのは立派ですよね。通説程度の知識はしっかり押さえてあるかんじが好感度大。
個人的には、在野の三国志オタから得たい一番の知識は軍事的方面なんですけど(どういう意図でこういう戦略を取ったのか、みたいな)、これは結構満足でした。
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