2011.07.15
二次サイト巡ってる間に黒田本人以上に息子が竹中オタで縁のグッズ集めてたとかそういう知識が身に付いたんですが、しかしあのフィッシュ竹中みたいな形状の兜って江戸期に子孫の人が作ったブツだという話も聞いたような……。
ん?待てよ……フィッシュたけn……まさか……!!?
ん?待てよ……フィッシュたけn……まさか……!!?
ふと思い出して、父の本棚から司馬遼の『播磨灘物語』を十数年ぶりに引っ張り出して再読したら、ドンピシャで無双の官兵衛半兵衛でした。司馬リョーがコーエーさんのキャラ造型の元ネタであることは間違いないでしょうねぇ。青い鳥はすぐ傍にいたんだぜ!ありがちありがち。
いや話の内容すっかり忘れてて、何となくときめいたことだけうっすら覚えてたんですが……(-_-;)
萌えとは別に、戦国無双の二人の関係の描かれ方には何とも言えない違和感というか、不可思議さを感じておりまして、そこが個人的にはぐっとくるというか、カプ妄想の魅力ともなっておりまして。
そもそもですね、同世代で能力も同程度の人間が同じポジションにいる場合、普通なら友情を感じるのとは別の次元で、問答無用にライバルとしての嫉妬心を抱くと思う訳ですよ。陰湿な足の引っ張り合いになるか爽やかなスポーツマンシップに則った正々堂々とした競い合いになるかは本人らの性格によるとしても、競争意識は当然働くだろうと。
しかし無双の彼らの間にはそういった嫉妬の感情が見当たらない……。ただ相手の能力を高く評価して、自分と反する考えすら容認しそれを損なわず補うような策を考え、短い言葉で、或いは口にしなくとも相手の思考を読み取って動く、阿吽の呼吸を楽しんでいるようです。
半兵衛に至っては自分に匹敵する軍師と見なしたからこそ官兵衛に興味を抱き、ひいては好意を持つようになっている。ゲーム中のムービーや会話イベントを見ていると、官兵衛どのが真面目で志が高いとか人間関係の築き方が不器用だとかいう内面への好意は、共に過ごすうちに徐々に芽生えてきたもののようなんですよね。どころか、彼らの前に立ち塞がる敵である元就公に対してもその卓越した謀略の才ゆえに好意を抱いているようなので、半兵衛にとっては自分に匹敵する才智が即好感に直結してるとしか思えない。
その理由について推測することは可能で、ゲーム設定でも実在の竹中さんも斎藤家時代はその女性的な容姿ゆえに家中で侮られていたらしいので、そういった暗愚な人間に囲まれてきた環境が、外見に左右されず自分を正当に評価してくれるのは自分と同程度に頭の良い人間のみであるという思い込み、価値基準を抱かせるに至ったのではないか、という。
性格とか人間性ではなく頭の良さこそを認めて欲しいという欲求は、不遇の中にあって自分の能力への自負こそが己の立つ拠り所となってたからで、稲葉山城乗っ取りみたいな派手で多分にパフォーマンス的な所業を行ったのも、諫言目的というよりも己の能力を大々的にひけらかしたいという強烈な欲求が動機じゃないかと思えます。無双半兵衛には龍興様への忠誠心とか皆無ですよね。
その辺の私的な推測が、播磨灘の描写ではっきりと答え合わせしてもらったというか、すとんと納得出来るようになったんですよね。
播磨灘においては、半兵衛の好意は「自分の存在に不安を抱き、孤独の思いも多少あった。ここで同好の者を見出したということは、美酒が臓腑にしみわたるようなよろこびにひとしい」という感情に由来するそれで、官兵衛も同じように「(こういう変物は、この世で自分だけではない)ということで、ときに淋しさからまぬがれ、また安堵のような気持もあり、あるいは支えのようなものにもなってきた」と感じている。この、理解者を見出した「よろこび」と「支え」が、無双の官半においてもキーワードになるのだろうと納得したんですね。
理解者を得た喜びで、半兵衛は官兵衛へ無条件の好意を抱いてべたべたと懐き、理解者である半兵衛が死後も自分を見守っていると信じることを心の支えにして、官兵衛は孤独な戦いを続ける。
無双の官兵衛は大義に一命を捧げているがゆえに自他に対する欲求の薄い人ですが、余人の理解など求めない彼をしても、語らずとも自分の意図を理解し、否定もしないであろう半兵衛という人間は手放し難い存在だったのでしょうか。
半兵衛は前半生で自分が求めてきたものを、それまでそんなもの欲しがっていなかった官兵衛に対して代償行為のように与えたのではないか。それによって半兵衛死後の官兵衛がそれまで感じなかった孤独を覚えることになったのだとしたら、これほど罪作りな所業はありませんけども。
播磨灘曰く、「(おれは、独りにさせられた)というおびえに似たものが、官兵衛の気持をそよがせつづけている」。
キャラクターズ真書に載ってた短編小説はコーエーさんが監修したとあるので、ゲーム設定の1.5次資料くらいには見なすことが出来るとして。
官兵衛特有の苛烈な方策はともかく、信長が志半ばで死んだ場合の後継者は家康が妥当、しかし私情としては秀吉に天下を取らせたい……ということがおそらく二人の共通認識で、(まあ、あの小説は有岡城幽閉時期に半兵衛がピンピンしてるので半兵衛ルート採用なのは間違いないですが)官兵衛ルートにおける秀吉焚きつけたり秀吉死後に東軍に寝返る彼の去就も、二人で考えた天下泰平への最短ルートを進んでいるという安心感、誰に理解されなくても半兵衛が肯定し見守ってくれてるに違いないという確信があって行ってるのでしょう。
竹中さんって官兵衛、毛利、濃姫、阿国の各シナリオでは1576年木津川口の戦い時点で発病してるのを確認してるのですが、それぞれのシナリオがパラレルワールドなんじゃなく一つの歴史が各々の分岐点で枝分かれしていって違う展開になってると無双ワールドの仕組を仮定すると、比較的史実に近い黒田ルートを正規として、発病さえしなければ自動的に半兵衛大団円ルートになる、と考えても良さそうです。で、半兵衛が発病して且つ中国攻め(架空シナリオ)で毛利と正面衝突したら、両兵衛心中ルートへ。
真書の記述によれば中国攻めって1579年の設定らしいですが、ちょうどそれって史実で半兵衛が死んだ年。「光になって官兵衛殿を見守っててやるよ 」と官兵衛シナリオで約束するのは臨終の床でのことみたいなので(二次の解釈だとその時に死んでる説と数日後に死んでる説とがありそう)、つまり毛利シナリオのあれは半兵衛の死期が近くしかも見守ってるとの約束も貰ってない時期と考えると、そりゃ官兵衛どのも自暴自棄になるよな、という……。
逆に言うと、あの約束がなければ、毛利ルート以外でももっと早い時期に自暴自棄になって生きるのを諦めてた可能性もあるのかな、とか思える訳ですが(´・ω・`)官兵衛どのの孤独は深い。
実在の両兵衛の人達の場合は、官兵衛が有岡城で監禁されてる間に半兵衛が病死してしまって解放された後に知った官兵衛号泣というある意味救いようのないEDですが、無双世界だと有岡城に囚われても相方は元気いっぱいでノリノリで女装して様子を見に来たり、半兵衛が死ぬルートでも枕元で臨終を看取ることが出来たり、実のところリアル世界よりも総じて恵まれた境遇ですよね。
そして官兵衛シナリオだとこいつら最期までプラトニックの関係でもいい……(´Д`*)と思わせるのに、半兵衛シナリオの様子見てると完全にこいつらデキてるだろ……そして官兵衛どの完全に尻に敷かれとる……とニヤニヤしてしまうのでした(・∀・)
ところで濃姫シナリオでやたらと半兵衛が姫様のこと大事にしててかなり気遣ってるのにちょい萌えてしまったんですが(村雨城では姫様に脅されてこき使われてたのに…)、清廉な明智さんは捻くれきった姫様の姿にドン引きしてるのに対し、半兵衛は多少人格歪んでようとも姫様のことを過日と同じ姫様として接してるところに、清濁併せ呑む度量を感じます。
リアルの竹中家って元々道三派で、だから義龍・龍興時代は冷遇されてたという話も聞いたので、だから道三の娘の姫様と仲が良い設定なんでしょうかねぇ。……と思ったけど、無双の半兵衛は道三のことも姫様を政略の道具に使った非情な人間だとあまり良い感情を抱いていないらしいですな。で、信長のことも同種じゃないかと不信感を抱いてる。
そういえば浅井長政や勝頼に対しても乱世の被害者として同情していたので、無双竹中さんの皆が笑って寝て暮らせる天下泰平を望む動機って、弱者に対する同情及び共感というか、乱世に翻弄される被害者をこれ以上作りたくないってところにあるのかもしれませんね。だから敵味方ともに犧牲の少ない方法を選択しようとする。
そういう意味では無双黒田さんは何故己を捨ててまで天下の為に尽くそうと思ったのかも、気になるところです。リアル人物だとローティーンの頃にお母様を亡くして世を儚んだことがあるらしいですが、無双官兵衛さんはその辺のバックボーンが全然解説されてませんからのう。何故あんな黒魔術を使えるのかも不明ですし。うーむ気になるぞい。
いや話の内容すっかり忘れてて、何となくときめいたことだけうっすら覚えてたんですが……(-_-;)
萌えとは別に、戦国無双の二人の関係の描かれ方には何とも言えない違和感というか、不可思議さを感じておりまして、そこが個人的にはぐっとくるというか、カプ妄想の魅力ともなっておりまして。
そもそもですね、同世代で能力も同程度の人間が同じポジションにいる場合、普通なら友情を感じるのとは別の次元で、問答無用にライバルとしての嫉妬心を抱くと思う訳ですよ。陰湿な足の引っ張り合いになるか爽やかなスポーツマンシップに則った正々堂々とした競い合いになるかは本人らの性格によるとしても、競争意識は当然働くだろうと。
しかし無双の彼らの間にはそういった嫉妬の感情が見当たらない……。ただ相手の能力を高く評価して、自分と反する考えすら容認しそれを損なわず補うような策を考え、短い言葉で、或いは口にしなくとも相手の思考を読み取って動く、阿吽の呼吸を楽しんでいるようです。
半兵衛に至っては自分に匹敵する軍師と見なしたからこそ官兵衛に興味を抱き、ひいては好意を持つようになっている。ゲーム中のムービーや会話イベントを見ていると、官兵衛どのが真面目で志が高いとか人間関係の築き方が不器用だとかいう内面への好意は、共に過ごすうちに徐々に芽生えてきたもののようなんですよね。どころか、彼らの前に立ち塞がる敵である元就公に対してもその卓越した謀略の才ゆえに好意を抱いているようなので、半兵衛にとっては自分に匹敵する才智が即好感に直結してるとしか思えない。
その理由について推測することは可能で、ゲーム設定でも実在の竹中さんも斎藤家時代はその女性的な容姿ゆえに家中で侮られていたらしいので、そういった暗愚な人間に囲まれてきた環境が、外見に左右されず自分を正当に評価してくれるのは自分と同程度に頭の良い人間のみであるという思い込み、価値基準を抱かせるに至ったのではないか、という。
性格とか人間性ではなく頭の良さこそを認めて欲しいという欲求は、不遇の中にあって自分の能力への自負こそが己の立つ拠り所となってたからで、稲葉山城乗っ取りみたいな派手で多分にパフォーマンス的な所業を行ったのも、諫言目的というよりも己の能力を大々的にひけらかしたいという強烈な欲求が動機じゃないかと思えます。無双半兵衛には龍興様への忠誠心とか皆無ですよね。
その辺の私的な推測が、播磨灘の描写ではっきりと答え合わせしてもらったというか、すとんと納得出来るようになったんですよね。
播磨灘においては、半兵衛の好意は「自分の存在に不安を抱き、孤独の思いも多少あった。ここで同好の者を見出したということは、美酒が臓腑にしみわたるようなよろこびにひとしい」という感情に由来するそれで、官兵衛も同じように「(こういう変物は、この世で自分だけではない)ということで、ときに淋しさからまぬがれ、また安堵のような気持もあり、あるいは支えのようなものにもなってきた」と感じている。この、理解者を見出した「よろこび」と「支え」が、無双の官半においてもキーワードになるのだろうと納得したんですね。
理解者を得た喜びで、半兵衛は官兵衛へ無条件の好意を抱いてべたべたと懐き、理解者である半兵衛が死後も自分を見守っていると信じることを心の支えにして、官兵衛は孤独な戦いを続ける。
無双の官兵衛は大義に一命を捧げているがゆえに自他に対する欲求の薄い人ですが、余人の理解など求めない彼をしても、語らずとも自分の意図を理解し、否定もしないであろう半兵衛という人間は手放し難い存在だったのでしょうか。
半兵衛は前半生で自分が求めてきたものを、それまでそんなもの欲しがっていなかった官兵衛に対して代償行為のように与えたのではないか。それによって半兵衛死後の官兵衛がそれまで感じなかった孤独を覚えることになったのだとしたら、これほど罪作りな所業はありませんけども。
播磨灘曰く、「(おれは、独りにさせられた)というおびえに似たものが、官兵衛の気持をそよがせつづけている」。
キャラクターズ真書に載ってた短編小説はコーエーさんが監修したとあるので、ゲーム設定の1.5次資料くらいには見なすことが出来るとして。
官兵衛特有の苛烈な方策はともかく、信長が志半ばで死んだ場合の後継者は家康が妥当、しかし私情としては秀吉に天下を取らせたい……ということがおそらく二人の共通認識で、(まあ、あの小説は有岡城幽閉時期に半兵衛がピンピンしてるので半兵衛ルート採用なのは間違いないですが)官兵衛ルートにおける秀吉焚きつけたり秀吉死後に東軍に寝返る彼の去就も、二人で考えた天下泰平への最短ルートを進んでいるという安心感、誰に理解されなくても半兵衛が肯定し見守ってくれてるに違いないという確信があって行ってるのでしょう。
竹中さんって官兵衛、毛利、濃姫、阿国の各シナリオでは1576年木津川口の戦い時点で発病してるのを確認してるのですが、それぞれのシナリオがパラレルワールドなんじゃなく一つの歴史が各々の分岐点で枝分かれしていって違う展開になってると無双ワールドの仕組を仮定すると、比較的史実に近い黒田ルートを正規として、発病さえしなければ自動的に半兵衛大団円ルートになる、と考えても良さそうです。で、半兵衛が発病して且つ中国攻め(架空シナリオ)で毛利と正面衝突したら、両兵衛心中ルートへ。
真書の記述によれば中国攻めって1579年の設定らしいですが、ちょうどそれって史実で半兵衛が死んだ年。「光になって官兵衛殿を見守っててやるよ 」と官兵衛シナリオで約束するのは臨終の床でのことみたいなので(二次の解釈だとその時に死んでる説と数日後に死んでる説とがありそう)、つまり毛利シナリオのあれは半兵衛の死期が近くしかも見守ってるとの約束も貰ってない時期と考えると、そりゃ官兵衛どのも自暴自棄になるよな、という……。
逆に言うと、あの約束がなければ、毛利ルート以外でももっと早い時期に自暴自棄になって生きるのを諦めてた可能性もあるのかな、とか思える訳ですが(´・ω・`)官兵衛どのの孤独は深い。
実在の両兵衛の人達の場合は、官兵衛が有岡城で監禁されてる間に半兵衛が病死してしまって解放された後に知った官兵衛号泣というある意味救いようのないEDですが、無双世界だと有岡城に囚われても相方は元気いっぱいでノリノリで女装して様子を見に来たり、半兵衛が死ぬルートでも枕元で臨終を看取ることが出来たり、実のところリアル世界よりも総じて恵まれた境遇ですよね。
そして官兵衛シナリオだとこいつら最期までプラトニックの関係でもいい……(´Д`*)と思わせるのに、半兵衛シナリオの様子見てると完全にこいつらデキてるだろ……そして官兵衛どの完全に尻に敷かれとる……とニヤニヤしてしまうのでした(・∀・)
ところで濃姫シナリオでやたらと半兵衛が姫様のこと大事にしててかなり気遣ってるのにちょい萌えてしまったんですが(村雨城では姫様に脅されてこき使われてたのに…)、清廉な明智さんは捻くれきった姫様の姿にドン引きしてるのに対し、半兵衛は多少人格歪んでようとも姫様のことを過日と同じ姫様として接してるところに、清濁併せ呑む度量を感じます。
リアルの竹中家って元々道三派で、だから義龍・龍興時代は冷遇されてたという話も聞いたので、だから道三の娘の姫様と仲が良い設定なんでしょうかねぇ。……と思ったけど、無双の半兵衛は道三のことも姫様を政略の道具に使った非情な人間だとあまり良い感情を抱いていないらしいですな。で、信長のことも同種じゃないかと不信感を抱いてる。
そういえば浅井長政や勝頼に対しても乱世の被害者として同情していたので、無双竹中さんの皆が笑って寝て暮らせる天下泰平を望む動機って、弱者に対する同情及び共感というか、乱世に翻弄される被害者をこれ以上作りたくないってところにあるのかもしれませんね。だから敵味方ともに犧牲の少ない方法を選択しようとする。
そういう意味では無双黒田さんは何故己を捨ててまで天下の為に尽くそうと思ったのかも、気になるところです。リアル人物だとローティーンの頃にお母様を亡くして世を儚んだことがあるらしいですが、無双官兵衛さんはその辺のバックボーンが全然解説されてませんからのう。何故あんな黒魔術を使えるのかも不明ですし。うーむ気になるぞい。
PR
カレンダー
カテゴリー
最新記事
ブログ内検索