2011.06.09
Amazonのなか見!検索って、あれ結局目次しか見れないんだと思ってたんですがそうでもないのかな。
笠井潔『探偵小説は「セカイ」と遭遇した』の前書き読んだらミステリの新本格ムーブメントは1987-2006年までで既に終了しているとありましたが、実際その通りでしょうな。
87-93年が形成期、94-02年が成熟期、03-06年が終末期だそうな。個人的な実感では02年でムーブメントは終わってると思う……というのは私自身が03-04年くらいの時期に読み漁るのをやめたからですが(←個人体験と主観で社会を語るんじゃねぇよ)。
形成期の作家群が寡作になり、新たに出てきたゼロ年代作家が総じてラノベか純文学にシフトしてしまった所為で、作家の層が薄くなってしまったのが一番の原因だと思いますが、しかし生まれたものは必ず終わりを迎える必然でしょうか。
いや面白い作家がいてもミーハー読者に見向きもされなくなる現象をしてムーブメントの終了と呼ぶのかもしれませんが。中国歴史小説と間違えて父が買ってきた秋梨惟喬『もろこし銀侠伝』『もろこし紅游録』シリーズがミステリとしてもかなり良質で面白かったんですが(読み漁ってた頃のワクワク感を思い出した)、この人は06年デビューみたいですし。
なんというか、ミステリが現在東野圭吾一人勝ちになってることに密かに問題意識感じてるんですが、あの人本格と言うよりも人情物というかなんというか、トリックはともかくとして作風はやや社会派に近いですよね。
あれ読んでるのって大半はミステリ読みじゃないと思うんですけど、成熟期の新規読者として一人で細々読んでた私のようなニワカ読みにも、ミステリの歴史やらお約束やら戦後四大ミステリ読めやらのルールや仁義を知らず知らず教育してくれたのがミステリ界の特殊で面白いところでした……。研究会的なところだと先輩が直接口頭で指導してるんだろうな、という。
……そんな面倒臭いジャンルがよく流行ったよな……。
私の認識では、というより大森望とかの評論を読んで認識に至った範疇としては、ジャンル小説界では82年の銀英伝を嚆矢に80年代前半にSFブームが来て、88年くらいのロードス島戦記をきっかけに80年代後半から90年代前半にハイファンタジーブーム(スレイヤーズとか)、90年代中盤~2000年くらいまで新本格ミステリが京極ナッチーや森博嗣なんかの変格系を取っ掛かりに読者大量参入、00年代前半は98年のリング99年の死国実写化などからホラー小説がぶいぶい言う、そして00年代中盤~現在まで萌え系ラノベの天下となる、という風にブームが推移してるんでしょう…か?
特に10代の頃など乱読派だと周囲に思われてたらしき自分ですが、上記ジャンルに歴史時代・少女・BLを加えた、所謂ジャンル小説しか読んでないんだぜ…?
っていうか、数ヶ月前にパンピーと雑談した際、たまたまミステリの話題になったので「90年代の新本格ブーム時期の小説なら読んでたんですよねー」とか相槌打ったら、まったく言語が通じなかった。
ドユコト……。
自分の常識は他人の非常識、他人の常識は自分の非常識。よく心得ましたorz
特に新本格が女の子の心を掴んでいた頃の話ですが、よく有栖川有栖みたいなのが流行ったな、と今思い返すと不思議というか……やはりキャラ萌えか。
あの人エラリー・クイーンを愛し過ぎててトリックに整合性と論理性を求めすぎてて、変テコな推理の入る余地がないというか、結局一番怪しい人間が犯人じゃねーか!というか(^_^;)
私は麻耶雄嵩くらい仰天させてくれる作品の方が好きですよ。脱格だとか何とか昔も言われてましたけど、その後の新人が脱ミステリしていった流れを見ると、麻耶くんは正統すぎるくらい正統派だった……っていうか最高峰たる四大ミステリ自体がそもそも変格というか、『虚無への供物』も『匣の中の失楽』も解決放り投げてるし……。
まあ、今まで読んだミステリの仲で、萌え的な要素抜きに一番面白かったと思ってるのは山口雅也『生ける屍の死』なんですけども。あれはすごい。
87-93年が形成期、94-02年が成熟期、03-06年が終末期だそうな。個人的な実感では02年でムーブメントは終わってると思う……というのは私自身が03-04年くらいの時期に読み漁るのをやめたからですが(←個人体験と主観で社会を語るんじゃねぇよ)。
形成期の作家群が寡作になり、新たに出てきたゼロ年代作家が総じてラノベか純文学にシフトしてしまった所為で、作家の層が薄くなってしまったのが一番の原因だと思いますが、しかし生まれたものは必ず終わりを迎える必然でしょうか。
いや面白い作家がいてもミーハー読者に見向きもされなくなる現象をしてムーブメントの終了と呼ぶのかもしれませんが。中国歴史小説と間違えて父が買ってきた秋梨惟喬『もろこし銀侠伝』『もろこし紅游録』シリーズがミステリとしてもかなり良質で面白かったんですが(読み漁ってた頃のワクワク感を思い出した)、この人は06年デビューみたいですし。
なんというか、ミステリが現在東野圭吾一人勝ちになってることに密かに問題意識感じてるんですが、あの人本格と言うよりも人情物というかなんというか、トリックはともかくとして作風はやや社会派に近いですよね。
あれ読んでるのって大半はミステリ読みじゃないと思うんですけど、成熟期の新規読者として一人で細々読んでた私のようなニワカ読みにも、ミステリの歴史やらお約束やら戦後四大ミステリ読めやらのルールや仁義を知らず知らず教育してくれたのがミステリ界の特殊で面白いところでした……。研究会的なところだと先輩が直接口頭で指導してるんだろうな、という。
……そんな面倒臭いジャンルがよく流行ったよな……。
私の認識では、というより大森望とかの評論を読んで認識に至った範疇としては、ジャンル小説界では82年の銀英伝を嚆矢に80年代前半にSFブームが来て、88年くらいのロードス島戦記をきっかけに80年代後半から90年代前半にハイファンタジーブーム(スレイヤーズとか)、90年代中盤~2000年くらいまで新本格ミステリが京極ナッチーや森博嗣なんかの変格系を取っ掛かりに読者大量参入、00年代前半は98年のリング99年の死国実写化などからホラー小説がぶいぶい言う、そして00年代中盤~現在まで萌え系ラノベの天下となる、という風にブームが推移してるんでしょう…か?
特に10代の頃など乱読派だと周囲に思われてたらしき自分ですが、上記ジャンルに歴史時代・少女・BLを加えた、所謂ジャンル小説しか読んでないんだぜ…?
っていうか、数ヶ月前にパンピーと雑談した際、たまたまミステリの話題になったので「90年代の新本格ブーム時期の小説なら読んでたんですよねー」とか相槌打ったら、まったく言語が通じなかった。
ドユコト……。
自分の常識は他人の非常識、他人の常識は自分の非常識。よく心得ましたorz
特に新本格が女の子の心を掴んでいた頃の話ですが、よく有栖川有栖みたいなのが流行ったな、と今思い返すと不思議というか……やはりキャラ萌えか。
あの人エラリー・クイーンを愛し過ぎててトリックに整合性と論理性を求めすぎてて、変テコな推理の入る余地がないというか、結局一番怪しい人間が犯人じゃねーか!というか(^_^;)
私は麻耶雄嵩くらい仰天させてくれる作品の方が好きですよ。脱格だとか何とか昔も言われてましたけど、その後の新人が脱ミステリしていった流れを見ると、麻耶くんは正統すぎるくらい正統派だった……っていうか最高峰たる四大ミステリ自体がそもそも変格というか、『虚無への供物』も『匣の中の失楽』も解決放り投げてるし……。
まあ、今まで読んだミステリの仲で、萌え的な要素抜きに一番面白かったと思ってるのは山口雅也『生ける屍の死』なんですけども。あれはすごい。
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